対象となる主ながん
当クリニックで現在治療できるがん
保険診療
- 前立腺がん
- 肝細胞がん(4cm以上)
- 局所進行性膵がん
- 早期肺がん(Ⅰ期~ⅡA期)
先進医療
- 肺がん(Ⅰ期~ⅡA期以外)
- 肝細胞癌(4cm未満)
前立腺がん
前立腺がんの治療法は、手術療法、放射線治療、薬物療法などがあります。血液検査、画像検査、病理検査により、悪性度や癌の広がりを予測します。陽子線治療は、リンパ節転移や遠隔転移がない場合に適応となり、放射線治療のなかでは最も有効で安全性の高い治療法の一つです。癌の悪性度により、ホルモン療法の併用が必要になることがあります。また、より正確な照射を行うために前立腺内に金属マーカーを挿入したり、直腸を守るために前立腺と直腸の間にスペーサー(スペースOAR®)を挿入したりすることが必要になる場合があります。
前立腺がんの放射線治療計画について
CT検査
前立腺がんは多発することが多く、放射線治療は前立腺全体を照射することになります。実際の外部照射と同じように固定具に横になってもらい、CT画像を撮影します。これは線量計算に必要な電子密度を測定するためです。次に照射をおこなう前立腺をCT画像上に示す必要があります。コンピュータは自動的には前立腺を認識することができないためです。しかしながらここに大きな問題があります。CT画像は組織コントラストが悪く、CT画像のみでは正確に前立腺を示すことができない可能性があることがカナダからの研究で明らかになっています。
MRI検査
このため組織コントラストが良いMRI画像で前立腺を示すことを推奨されています。当院は治療専用のMRIを有しており、確実にMRIが施行できより正確な放射線治療が可能です。
CT画像とMRI画像との正確な重ね合わせ
コンピュータで、組織コントラストが良好なMRI画像上の前立腺を示すとそのコピーがCT画像に写されます。この機能を使うことではっきりしないCT画像上の前立腺がはっきり正確に示すことができます。前立腺は容易に動きますので、必ずしも同じ位置にあるとは限りません。よって、ここで大切なことはCT画像とMRI画像の前立腺の位置を正確に合わせることが必要です。しかしながらそもそもCT画像で前立腺がはっきりしないためMRI画像を撮影したのであり、CT画像上の前立腺とMRI画像上のMRIを合わせることは困難であることがわかります。
ここで必要なものは、fiducial markerです。当院では連携病院である大阪暁明館病院の泌尿器科にお願いして前立腺の中にfiducial marker (Gold Anchor®)を3個挿入してもらっています(図)。そうすることで、CT画像上にも、MRI画像上にも3個のfiducial markerが写ります。このマーカーどうしを合わせることで、CT画像上の前立腺とMRI画像上の前立腺が一致していることが保証されます。この状態にしておいて、MRI画像上で前立腺を示すとCT画像上にコピーされ、CT画像上に正確に前立腺を示すことができます。これで正確に照射する部位が決定されました。
コンピュータにて線量計算
この前立腺に対して、複数回撮影した画像から線量計算を行い、患者様に合った適切な治療計画を作成します。
放射線治療計画の検証
次におこなわれるのは、コンピュータでの計画した数値が実際に再現されるか確認作業に入ります。人体に近い環境として水中での線量測定を行います。コンピュータによって複雑な線量分布が形成されているため、それらが照射装置で正しく反映出来ているかを実際に確認し評価した上で患者様の治療へと臨みます。
リハーサル
治療に来られた際の流れは以下のとおりです。
- 受付
- 問診
- 3階へ移動
- 更衣→陽子線治療室へ入室
- 治療→陽子線治療室から退室
- 更衣
- 会計→帰宅
治療の時と同じ条件下で、治療室へ入って頂きます(陽子線治療のみ)。
流れについては、当日に説明用紙を読んで頂き、担当技師からもご説明させて頂きます。
位置決め
正確な照射を行うため、治療の前には毎回、位置合わせを行う必要があります。
- リハーサルと同じように固定具を付けて治療台の上に横になります。
- 固定具に付けられたマークを目安にしておおよその位置まで治療台を動かします。
- 正面・側面のX線画像を撮影しながら位置合わせを行い、照合用X線画像との誤差を修正していきます。
- 誤差が1mm以内になりましたら位置決めは終了です。
照射
- 陽子線が照射されている間に、痛みや熱さなどを感じることはありません。
また、陽子線を直接目で見ることもできません。 - この間、絶対に動かず、じっとしていただく必要があります。治療が終わってからも指示があるまでは動かないで下さい。
放射線治療開始
このときもfiducial markerは必要です。前述したように前立腺は日々移動します。その時どこに前立腺がいるかfiducial markerをみることでわかります。このfiducial markerを合わせてから実際の照射がおこなわれますので確実に前立腺に照射されることになります。
肺がん
-
手術できない場合にも適応有り -
早期肺がんは保険診療 -
身体的負担が少ない -
外来で治療
できる
肺がんの治療法は、手術療法、放射線治療(X線治療・陽子線治療)、薬物療法などがあります。
肺がんの手術というと開胸して行うものが一般的でありましたが、近年では胸腔鏡手術が普及し開胸手術と比べて傷が小さく出血量も少ないため身体への負担が少なくなりました。
しかし手術や麻酔に耐えられる体力がない、呼吸機能が低下していて手術後の生活に必要な呼吸機能の回復が見込めない、手術できない場所にがんがある場合は最適な治療とは言えないため、他の方法が選択されます。
陽子線治療は遠隔転移がない非小細胞がんの場合に適応となり、がんに陽子線を集中して当てることができるため周りの正常組織への副作用が少なく安全性の高い治療法です。
手術に比べて侵襲性が少ないため、高齢者や体力・呼吸機能が低下している方にも適応があります。
そのほかの特徴は以下の通りです。
| 手術 | 陽子線 | |
|---|---|---|
| 侵襲性 | 大きい | 小さい |
| 治療期間 | 約10日 | 陽子線治療前準備:2週間 陽子線治療:2週間~1ヶ月 |
| 費用(1~3割負担) | 150,000~450,000円 | 237,500~712,500円※ |
| 高額療養費制度を利用すると… | 57,600~259,180円 | 18,000~267,930円 |
| 治療に伴う痛み | 手術後に痛みあり | 痛みなし |
| 適応範囲 | 手術や麻酔に耐えられる体力がない、呼吸機能が低下している、手術できない場所にがんがある場合は不適応となる場合あり | 体力のない高齢者や呼吸機能が低下している方も適応 |
| 懸念点 | 手術後に合併症を起こす可能性、状態が悪化する可能性がある | 放射線による副作用が起こる可能性がある |
※マーカー留置が必要な症例の場合はこの限りではありません
肺がんのみならずがんの治療方法を決める際には、選択肢となる治療法それぞれのメリットとデメリットを比較して最適な治療法を選択することが大切です。
当院で治療できる肺がん
- 非小細胞肺がんであること
- 転移がないこと
両方を満たす肺がんの治療が可能です。
| 分類 | Ⅰ期 | Ⅱ期 | Ⅲ期 | Ⅳ期 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ⅠA期 | ⅠB期 | ⅡA期 | ⅡB期 | ⅢA期 | ⅢB期 | Ⅳ期 | |
| 陽子線治療の適応 | ◯ | ◯ | ◯ ※2 | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ |
| 保険適応(※1) | ◯ | ◯ | ◯ | - | |||
| 先進医療 | ◯ | ◯ | ◯ | - | |||
※1 切除不能のものに限る
※2 リンパ節転移がないものに限る
肺がんの種類

病期




治療費について
肺がんの進行度によって治療費用が異なります。
早期(I期〜IIA期)の場合:公的医療保険の対象となります
上記およびⅣ期以外の場合:先進医療での治療となります
費用の詳細については、こちらで詳しく説明しています。
副作用について
陽子線治療は、従来の放射線治療と比べてピンポイントで照射することができるため正常な組織への影響を少なくすることができます。
ただ副作用が起こる可能性がゼロとは言えず、肺臓炎や食道炎、皮膚炎が起こる場合があります。
起こり得る副作用やその程度は、がんの大きさや位置によって異なります。
診察時に医師より詳しくご説明いたします。
医療・治療連携について
当院は放射線治療(陽子線・X線)のみを行うクリニックのため、大学や他医療機関と連携を図ることで適切な医療を提供いたします。
肺がんについては、大阪市立大学医学部附属病院と連携した呼吸器キャンサーボードを構築しております。
キャンサーボードとは、該当疾患の治療法となり得る治療(手術、化学療法など)を実施する診療科の医師、看護師・薬剤師・医学物理士等のコメディカルスタッフが参加し、症状、状態及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等するためのカンファレンスです。
症例・症状に応じて臨時のキャンサーボードも実施し、円滑な診療体制の構築に努めております。
肺がんの放射線治療計画について
CT検査
肺がんに対して複数の角度から陽子線を照射するため、妨げとならないよう両手を上げた状態で、実際の外部照射と同じように固定具に横になってもらい、CT画像を撮影します。両手を上げにくい場合には、辛くなく維持できる姿勢での治療を工夫します。CT画像は線量計算に必要な電子密度の測定の役割も兼ねています。次に照射をおこなう肺がんの病巣をCT画像上に示す必要があります。
肺は呼吸によって動くため、適切に治療が行えるように、その動きを観察する検査も合わせて実施します。
実際に治療を行う際には、正面と側方からX線写真(レントゲン写真)を撮影し、骨や腫瘍の陰影を確認しながら照射位置を決定します。腫瘍が小さく写真で確認がしにくい場合には、あらかじめfiducial marker(金属マーカー)を病巣の近くに留置し、その位置を確認しながら照射位置を決定します。
肺は呼吸によって動くため、適切に治療が行えるように、その動きを観察する検査(※4DCT)も合わせて実施します。治療がスムーズに行えるよう、リラックスできる呼吸方法についても簡単な練習を行います。
実際に治療を行う際には、正面と側方からX線写真(レントゲン写真)を撮影し、骨や腫瘍の陰影を確認しながら照射位置を決定します。腫瘍が小さく写真で確認がしにくい場合には、あらかじめfiducial marker(金属マーカー)を病巣の近くに留置し、その位置を確認しながら照射位置を決定します。
※4DCT:4次元CT検査
立体の3次元に時間軸を加えることで、3次元画像が動いて見えるようになる撮影法です。
コンピュータにて線量計算
この肺がんに対して放射線治療の線量計算を行います。計算結果が問題なければ終了です。
放射線治療計画の検証
次におこなわれるのは、コンピュータでの計画した数値が実際に再現されるか確認作業に入ります。人体に近い環境として水中での線量測定を行います。コンピュータによって複雑な線量分布が形成されているため、それらが照射装置で正しく反映出来ているかを実際に確認し評価した上で患者様の治療へと臨みます。
リハーサル・治療
リハーサル・治療に来られた際の流れは以下のとおりです。
- 受付
- 問診
- 3階へ移動
- 更衣→陽子線治療室へ入室
- 治療→陽子線治療室から退室
- 更衣
- 診察(週1回の割合)
- 会計→帰宅
治療の時と同じ条件下で、治療室へ入って頂きます(陽子線治療のみ)。
流れについては、当日に説明用紙を読んで頂き、担当技師からもご説明させて頂きます。
位置決め
正確な照射を行うため、治療の前には毎回、位置合わせを行う必要があります。
- リハーサルと同じように固定具を付けて治療台の上に横になります。
- 固定具に付けられたマークを目安にしておおよその位置まで治療台を動かします。
- 正面・側面のX線画像を撮影しながら位置合わせを行い、照合用X線画像との誤差を修正していきます。
- 誤差が1mm以内になりましたら位置決めは終了です。
照射
- 陽子線が照射されている間に、痛みや熱さなどを感じることはありません。
また、陽子線を直接目で見ることもできません。胸部や腹部に対する治療の場合には呼吸リズムに合わせた治療を行うため、治療時間が長くなります。 - この間、絶対に動かず、じっとしていただく必要があります。治療が終わってからも指示があるまでは動かないで下さい。
放射線治療開始
リハーサルと同様の流れで行います。
呼吸による動きをモニタリングしながら照射を行うため、リラックスした状態で自然な呼吸を続けていただく必要があります。
呼吸の状態が大きく変わった場合には照射を中断し、もう一度位置を合わせなおしてから照射を再開するため、大きな心配は不要です。
このようにすることで、毎日確実に肺がんに照射されることになります。



