当院の特徴

Features of our hospital

「前立腺がん」にこだわる

特徴1 なぜ、前立腺がんなのか?

前立腺がんには様々な治療法があり、比較的進行が穏やかで、外来通院による治療が可能な病気です。陽子線は国際的にも標準治療法として普及しており、日本では健康保険で受けることができます。 当院では、大学病院や総合病院では特化しにくい細かな環境まで整備することで、入院治療を行う病院への負荷を軽減し、日本の医療への貢献を目指します。

1.治療専用CT/MRI
治療の鍵となるのは、治療計画CT/MRI画像であると言っても過言ではありません。
当クリニックでは治療専用のCT/MRIを使用し、ベッドやレーザー照準器など全て共通化しました。
CTはもちろんMRIにおいても固定具を使用した状態で撮影できるため、再現性の高い画像を取得し治療計画に役立てています。
  • CT
  • MRI
2.3つの金マーカによる高精度放射線治療
陽子線治療は毎回同じ位置に照射することが⼤切ですが、前⽴腺は体内で微妙に動きます。
そのため治療前に前⽴腺内に⾦マーカーを挿⼊し、3次元構造の正確な把握に役⽴てます。
通常は1箇所のところを当院では3箇所にマーカーを留置して、安全で正確な治療を⾏っています。
※金マーカーは直径0.28㎜と⾮常に⼩さく、治療後に取り出す必要なし
3.吸収性スペーサーによる直腸保護
人体に無害なゲルを挿入して前立腺と直腸を遠ざけます。治療期間中もMRIで確認し、直腸をしっかりと守ります。
4.超音波尿量計測による再現性確認
検査や治療の際に蓄尿量を超音波で計測します。尿量を一定に保つことで治療精度が向上し、副作用のリスクを軽減します。
5.ロバストプラン
検査時に複数回撮影したCT画像から患者様毎の誤差を統計的に予測し、照射位置がずれてしまった場合でも予定通りの線量分布を維持できるような、より無駄なく変化に強い(ロバストな)治療が可能になりました。これまでは患者様に寄らず一律に広い範囲を設定していたものがオーダーメイドの範囲設定になることで、腫瘍へしっかりと照射し、かつ臓器をきっちり守ります。
6.スキャニング照射
当院では2019年1月より、スキャニング法と呼ばれる照射技術を採用しています。
このスキャニング法は、腫瘍に向かって細いビームのまま照射し位置を移動させながら腫瘍全体を塗りつぶしていきます。複雑な形でも無駄なく照射が行えるため、身体への被ばくが少なく腫瘍にしっかりとビームが当たります。この方法ではビームの利用効率が高く、照射時間も短くなります。また、陽子線が照射されてしまう物も少なくなるため、放射性廃棄物を削減できるだけでなく、二次発がんが懸念される中性子線の発生も低下します。国内でも複数の施設がこの手法を導入しており、今後世界的にも普及すると言われています。

特徴2 陽子線とX線を徹底比較

陽子線治療の希望でも、X線治療計画をお見せし、なぜ陽子線が良いかを納得した上で治療が受けられます。比較のための追加費用は頂いておりません。

1.陽子線とX線を統合した診療システム

当院では全ての規格を独自に統合し、1度の検査で両方の治療が可能となりました。

2.実際の治療水準の治療計画比較

治療計画は大きな手間のかかる作業です。当院では、独自に開発した自動化システムで労力を減らし、複雑な計画をいくつも立案することが可能です。

特徴3 徹底した品質管理と高い生産性

患者様のお身体に陽子線を照射するだけが我々の仕事ではございません。日々の照射が安全かつ正確に行うことができるよう、人の手では行えないような膨大なデータ処理システムを開発し、様々な点検と品質管理を日々行なっています。

1.自動運転による機械測定

従来の陽子線装置では難しかったパターン運転を実装。最小限の人員で自動的にデータを収集し、システムと人の目の両方でエラーをチェックします。

2.照射記録を用いた品質管理

人体を模した水槽だけでなく、装置の照射記録データの照合も行います。当院では、独自に解析プログラムを開発し、人の手では行えない膨大なデータも解析し、事故の発生を未然に防ぎます。

3.アナログチェック

自動測定やデータ解析を盲信せず、フィルムや目視などアナログな手法での品質管理も欠かしません。

肺がんやその他疾患にも対応

当院は放射線治療(X線・陽子線)に特化した施設のため、全身管理を必要とするご病気の場合は、主治医とその医療機関との連携が必要不可欠です。
肺がん・肝臓がん・頭頸部がんに対する陽子線治療を行なっておりますが、患者様ご本人からのご相談だけでは治療の可否判断ができません。必ず主治医と相談の上、主治医の医療機関よりお問い合わせください。
呼吸同期システムを備え、呼吸の動きによる分布の変化も治療計画でシミュレーションが可能です。前立腺がん治療で蓄積したノウハウを他の疾患にも余すところなく活用します。