作業療法（OT）
作業療法ってなに？
作業療法部門では、障害を負い悩みや不安を抱える患者様に対して『心が動けば体も動く』をモットーにリハビリテーションを提供させて頂いています。では、作業療法とは何か？それを紐解くには作業療法の‘作業’の意味を考えてみる必要があります。
人間が生きるためには心と体のバランスが整っていることが必要です。障害を負った直後の患者様は、生きる価値・意味を見出せない状態となり今まで当たり前であった日常が非日常的で絶望した日々となってしまいます。そこで大切なことは各々個人が大切とする‘作業’です。‘作業’とは、食べたりお風呂に入ったりの生活動作から、畑仕事やご近所さんとの付き合いなどの余暇的活動や地域活動、家族を養うために働くといった仕事的活動など様々な活動全てを指します。私たちは患者様の今一番必要な‘作業’を選択し、目標や治療に結び付けることでリハビリテーションを提供させて頂いています。
そんな作業療法室には、手作業課題(石積み・折り紙・木工)、リラクセーション・前頭葉賦活課題(アロマ)、趣味課題(囲碁・将棋)、家事課題(昼食・お菓子作り)など様々な年齢・性別に対応できるようたくさんの‘作業’ができる道具を取り揃えています。時には回復をサポートできるよう心理療法を行う場合もあります。平成30年から開始した園芸療法では、五感をフルに活用できる作業であり患者様・家族様にも好評を頂きました。今年度も、畑仕事の練習や収穫した野菜での調理訓練を予定しています。 また、ニーズに合わせた福祉用具の選定・自助具の作成や退院後の住環境の設定、主婦や職業復帰に向けたIADL(手段的日常生活動作)など様々な視点からもサポートさせて頂きます。在宅復帰への支援の1つとして、自宅を想定した訓練のできるADL(日常生活動作)室も新たに改装中です。
そういった‘作業’をしていくことで、不安や悩みを解消し自分自身の身体と向き合うきっかけとなっていきます。
私たち作業療法士は、患者様の心からできるようになりたい作業の実現に向けて、‘その人らしく’社会へ復帰できることを支援します。
機能的作業療法
いわゆる機能訓練として、筋力・関節可動域・バランス能力など、生活に必要な身体機能の改善を図ります。 作業療法士が適切な運動を引出し、痛みの緩和や身体機能の改善を図ったり、さまざまな道具や作業を通じて生活に必要な動作へとつなげていきます。
調理訓練
一般家庭のキッチンを再現した調理スペースにて、包丁やハサミ、コンロを使用した調理や食器洗いなど、実際の動作の中で訓練を行い、『どこまでなら安全に行えるか』『どうすれば安全に行えるか』を一緒に考えます。 レッドコードとは、運動器系疾患・神経系疾患に対する治療エクササイズや、スポーツアスリートなどに用いられるトレーニングを可能にする機器・治療法のことです。 痛みの軽減・血流の改善・リラクゼーション・エクササイズなど、様々な治療に用いられます。
生活動作訓練
病院の中での生活と、お家の中での生活は大きく異なります。退院した後の生活に不安が残らないように、ご自宅での生活スタイルや生活環境に合わせた訓練を行います。 食事動作や掃除、洗濯物干し、トイレ動作や入浴動作等、実際の生活に必要な動作を、実際の動作の中で訓練を行います。
心理指示的療法
気晴らしや生活意欲向上、認知症予防または進行防止のために行います。 長期の入院などにより意欲の低下や気持ちの落ち込みがみられることがあります。作業療法では、手工芸や趣味活動を通して、患者様の精神活動へのサポートを行います。
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