今年の5月から毎週水曜日に赤穂中央クリニックの外来を担当させてもらうことになった井上です。私は2年間、内科の研修を受けた後、この4月から川崎医科大学附属病院の糖尿病・内分泌内科で働いています。赤穂中央クリニックでの外来は週1回ですが、よろしくお願いします。
 これからこのページをかりて、治療中の糖尿病患者でおこる危険のある、低血糖症状とそれがおこったときの対処法について書かせてもらいます。


はじめに

低血糖症状は薬物治療を受けている糖尿病患者でおこる危険性のある症状であり、命にかかわることもあります。そのため低血糖症状が出現した場合、適切に対処することが重要です。


低血糖症状とは

では、具体的には低血糖症状とはどんな症状なのでしょうか?


血糖値が下がってくると、まず強い空腹感、あくびがでるようになります。そして無気力になり、計算や会話のスピードが遅くなります。さらに冷汗、動悸や指のふるえがおこり、そのままほうっておくと、意識消失、痙攣、昏睡をおこしてしまいます。


低血糖症状がおこる原因について

健康人では通常、血糖の値は70mg/dl以上に保たれています。これがいろいろな原因で血糖値が6070mg/dl以下に下がった場合に低血糖症状がおこります。例えば次のようなときに血糖値が低くなります。

@     食事の量が少なかった場合

A     嘔吐や下痢がひどい場合

B     インスリンを誤って多く注射しすぎた場合

C     経口血糖降下剤を誤って多く内服しすぎた場合など


低血糖症状がおきたときの対処法について
先に述べたような症状がおきた場合、余裕があれば、まず自己血糖測定器で血糖値をはかりましょう。血糖値が6070mg/dl以下に下がっていれば、低血糖による症状である可能性が高くなります。血糖値を上げるため、ジュースなどで糖分を補給ください。食事前であればすぐに食事をとってください。病院でぶどう糖を処方されている方は、すぐにそれを内服してください。血糖値をはかる余裕がない方は、すぐに食事をとってください。また、食事がとれないほど症状が重い場合は、すぐに病院を受診してください。 


おわりに
以上、簡単ですが低血糖になった場合におこる具体的な症状と対処法について述べさせてもらいました。しかし、高齢の人や、糖尿病で神経が障害されている人、低血糖を何回もおこしてそれに慣れてしまっている人では、低血糖になっても症状に気付きにくくなります。一部の薬(βブロッカー)では、服用中であれば症状があらわれにくくなります。逆にふだんの血糖値がかなり高い場合は、血糖値が70mg/dl以上であっても低血糖症状がでる場合があります。そのため日頃から低血糖になったり低血糖症状がおきないように体調に気を付け、もしおこった場合でも放っておくと命にかかわるため、早めに適切に対処することが大切です。