形成外科

診療担当表


形成外科の目的は、「見た目や機能を
正常に近づける」ことです。
具体的には、次のような病気に取り組んでいます
木股敬裕

眼瞼下垂(がんけんかすい)

老化やコンタクトレンズの長期使用などが原因で、まぶたが下がって開けにくくなることがあります。
これが眼瞼下垂です。
おでこのしわ、肩こり、不眠などいろいろな症状の元になることもあります。

「老化だからしかたがない」と、あきらめる必要はありません。
手術によって治療することができます。
手術は、大きく2通りに分かれます。両方同時に行うこともあります。

① 眼瞼挙筋短縮術
 まぶたを開く筋肉(眼瞼挙筋)の力が弱くなった場合に行います。
 眼瞼挙筋を縫いつけ直します。
眼瞼挙筋短縮術前 眼瞼挙筋短縮術後


② 除皺術(しわ取り)
 まぶたの皮膚がたるんでかぶさってくる場合に行います。
 余った皮膚を切り取ります。
 たるみ方などによって、皮膚の取る場所を決めます。
上眼瞼除皺術前 上眼瞼除皺術後
二重まぶたの線に沿って、余った皮膚を切り取ります。
一般的な方法です。
眉毛下除皺術前   眉毛下除皺術後
眉毛の下で、余った皮膚を切り取ります。
自然な仕上がりになりやすいです。
 局所麻酔でできますので、日帰り手術も可能です。
 美容目的でなければ、健康保険が適用されます。


腫瘍(できもの、しこり、ほくろなど)

良性なのか悪性なのか判断が難しいところもあります。急に大きくなるようなものは、特に注意が必要です。
皮膚を細かく縫いますので、傷あとはあまり目立たなくなります。

無色素性基底細胞癌 色素性母斑 基底細胞癌
一見すると、どれもほくろのように見えます。
しかし、真ん中以外はすべて皮膚がん(基底細胞癌)です。
判断が難しいので注意が必要です。

扁平上皮癌   局所皮弁   局所皮弁、術後
皮膚がんの場合、再発しないよう大きく取る必要があります。
皮膚の欠損が大きくなり、縫い寄せることができないこともあります。
そういった場合、近くの皮膚をずらして傷を覆います。
これを皮弁術と言います。傷あとも目立ちにくくなります。

母斑細胞母斑、術前 母斑細胞母斑、術後
ほくろです。
単純に切り取る際も、傷あとが目立たないようにします


傷あと、ケロイド

傷あとを細かく縫い直し、目立たなくします。
特殊な方法(Z形成術、W形成術など)を行います。
場合によってはテープや注射などで治療します。

傷あと、W形成術前 傷あと、W形成術 傷あと、W形成術後
W形成術です。あえてジグザグに縫い直します。
傷あとがシワにまぎれて、傷あとが目立たなくなります。


肥厚性瘢痕、植皮前 肥厚性瘢痕、植皮後
肥厚性瘢痕(赤く盛り上がった傷あと)です。
皮膚を他の部分から移植しました。






けが、やけど

「傷は乾かした方が早く治る」というのは大きな間違いです。
適度な水分があった方が、傷は早く治ります。

当院では、湿潤療法(うるおい療法)を取り入れて治療しています。
治りが早い、痛みが少ない、傷あとが残りにくいなど色々な利点があります。
かつては手術(皮膚移植)されていたようなやけども、治ることがあります。

低温熱傷、湿潤療法前 低温熱傷、湿潤療法中 低温熱傷、湿潤療法後
深いやけどでしたが、手術なしで治りました。
入院も必要ありませんでした。


巻き爪、陥入爪

水虫や深爪などが原因で、爪がくいこんで痛くなることがあります。
昔ながらの手術法は痛みがとても強く、しばらく歩けなくなることもあります。
当院では、爪矯正やフェノール法など痛みがとても少ない治療を行っています。

①ワイヤーによる爪矯正
  曲がったワイヤーが元に戻る力を利用し、曲がった爪を矯正します。
  矯正は麻酔なしでできます。
  約3~6ヶ月間行います。
陥入爪、ワイヤー矯正前 陥入爪、ワイヤー矯正後
爪をワイヤーで矯正します。
開始直後から痛みが軽くなります。
矯正終了時です。
痛みもなくなります。

②フェノール法
  まず、爪の端の食い込んだ部分を抜きます。
  そのままでは爪母(爪の根元)が残っているので、また爪が生えてきます。
  薬品(フェノール)で爪母を処理し、爪が生えないようにします。
  手術と比較して、術後の痛みが非常に少ないのが特徴です。
陥入爪、矯正前 陥入爪、矯正後 陥入爪、矯正後 陥入爪、矯正後
爪の食い込んだ部分を
幅2~3mmほど抜きます。
麻酔して、
爪を抜きます。
フェノールで爪母を
処理します。
傷は2~3週間で
治ります。


生天異常
(手足や耳の変形、でべそ、あざなど)

形成外科で扱う先天異常は、主に体の表面の異常です。

① でべそ(臍突出症)
 赤ちゃんのうちであれば、圧迫するだけで治ることもあります。
 成長するとともに、自然と治ることも多いです。
 改善しないようであれば、手術の対象になります。
でべそ、術前 でべそ、術後
手術した例です。
へそを奥に押し込みます。

② 耳の変形
 軟骨の変形によって、さまざまな形になります。
 眼鏡が着用できない、見た目が気になる、といった問題があります。
小耳症 埋没耳 副耳
小耳症
肋軟骨を使って、
耳の形を作り直します。
埋没耳
1歳までなら矯正できます。
手術することもあります。
副耳
余分な軟骨を取ります。


③ 多指症、合指症
 生まれつき指が多いことや、指がくっついていることがあります。
 手術によって、余分な指を取ったり、くっついた指を切り離します。
多指症、術前 多指症、術後
多指症です。余分な指を切除します。


リンパ浮腫

子宮がん、前立腺がん、乳がんなどの治療後、リンパ液の流れが悪くなり手や足がむくんでくることがあります。これがリンパ浮腫です。
治療が難しいとされてきましたが、ストッキング、マッサージ、手術(リンパ管静脈吻合術)によってかなり改善します。

リンパ管静脈吻合術とは、リンパ管を静脈につないでバイパスを作り、リンパ液の
流れを良くする手術です。約8割の方に効果があるとされています。
この手術もマイクロサージャリーによって行います。
高度な技術を要するため、手術できる病院は限られます。
早めに治療を始めたほうが効果も出やすいので、早めの受診をおすすめします。

リンパ浮腫 リンパ管静脈吻合術
がんの治療後にリンパ浮腫となった方です。
歩くのが大変なほど腫れていましたが、細くなりました。
リンパ管と静脈を吻合します。
直径1mm未満と非常に細いです。


がん治療後の変形

がんはただ治れば良いというものではありません。
治療後のQOL(生活の質)をいかに良くするかということも大事です。
がんを大きく切り取れば、それだけ変形も大きく残ります。
見た目の問題だけでなく、食事や会話がしづらくなったりします。

この際に有用なのが、マイクロサージャリー(顕微鏡下手術)です。
移植したい組織を血管をつけたまま採取し、血管をつないで移植します。
こうすれば、大きな組織を自由に移植することができます。
脂肪、筋肉、骨などを移植すれば、見た目や機能を非常に良くすることができます。

がんの変形、血管柄つき脂肪移植前 血管柄つき脂肪 がんの変形、血管柄つき脂肪移植後
がんの治療後に凹みが残った方です。
他の部分から脂肪を採取し、移植しました。
血管をつけて移植すれば、血流を保ったまま移植できます。
単なる脂肪注入と違い、吸収されてしまうことがほとんどありません。


他にもいろいろな病気を扱っています。
悩みのある方はぜひ一度ご相談ください。お力になれるかと存じます。

手術件数
  2015年
眼瞼下垂 29
その他の眼疾患 2
皮膚良性腫瘍 50
皮膚悪性腫瘍 1
難治性潰瘍 3
肥厚性瘢痕 1
瘢痕拘縮 7
熱傷 1
先天異常 5
顔面神経麻痺 1
その他 14





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