外科

診療担当表


◆下部消化管領域(担当:鈴鹿)

◆担当医
外科部長 鈴鹿 伊智雄(すずか いちお)

専門資格:日本外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医、消化器外科専門医、日本大腸肛門病学会指導医・専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、がん治療認定医
略歴:昭和59年岡山大学卒 
    平成5年10月~平成27年3月 香川県立中央病院外科、消化器一般外科
    平成26年~大腸がん啓発ブルーリボンキャンペーン・アンバサダー
    平成27年4月~当院

下部消化管領域の病気

 下部消化管領域とは小腸、結腸、直腸、肛門を言います。外科で扱う代表的な下部消化管領域の病気は結腸がんと直腸がん(両者をまとめて大腸がんと言います)ですが、そのほか、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、急性虫垂炎、小腸腫瘍、腸閉塞、大腸憩室症、痔核、裂肛、痔瘻、直腸脱なども扱います。
 担当の鈴鹿は、香川県立中央病院での21年の間に施行した大腸がん手術は1409例(内、腹腔鏡下手術589例)、自ら執刀したのは728例(内、腹腔鏡下手術306例)でした。最近5年間で結腸がんの約7割、直腸がんの約6割を腹腔鏡で施行しています。また平成8年、兵庫医科大で潰瘍性大腸炎や家族性大腸ポリポーシスに対する大腸全摘術の研修を行い、以後48例の大腸全摘術を施行しました。平成21年からは腹腔鏡下手術で施行しています。


◆外科で扱う下部消化管領域の疾患
1.大腸がん

 外科で扱う下部消化管疾患のうち、最も重要な疾患は大腸がんです。大腸の手術は、全国的に腹腔鏡下手術が増加している分野です。日本内視鏡外科学会による全国集計では、結腸がん、直腸がんともに全体の57%(2013年)が腹腔鏡下手術で行われています。中には大腸がん手術のほとんどすべてを腹腔鏡下手術で行っている施設もありますが、当地は高齢者が多く、呼吸循環機能に問題のある方も少なからずいらっしゃいますので、そのような方の場合は開腹手術で行っています。




図1 内視鏡手術風景

 また当院では平成28年3月に内視鏡手術システムを立体画像の3Dシステムに、高周波エネルギーデバイスと超音波エネルギーデバイスも最新機種に更新し、さらに精緻な手術が可能になりました。




図2  (OLYMPUS CORPORATION ホームページより引用)


 また、下部直腸癌に対しては、特に機能温存に心掛けており、究極の肛門温存手術と呼ばれる腹腔鏡下括約筋間切除術(ISR)など最新の肛門温存手術も行っています。



図3 (括約筋間切除術ISR、日本大腸肛門病学会ホームページより引用)


 抗癌剤治療は、大腸癌治療ガイドライン(大腸癌研究会編)に沿って、再発予防のためにはステージⅡ~Ⅲaには主にUFT、ゼローダなどのフッ化ピリミジン系内服抗癌剤、ステージⅢa~Ⅲb以上には患者様の年齢体力に応じてFOLFOXまたはXELOX療法を行っています。切除不能の進行再発癌に対してはFOLFOX、FOLFIRI、XELOX、IRISに分子標的治療薬(ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ)を加えた治療や、それらが無効になった場合はスチバーガ、ロンサーフなど、最新の治療を行っています。

2.大腸良性疾患
 大腸穿孔、大腸軸捻症、大腸憩室炎、急性虫垂炎、炎症性腸疾患などを外科で担当しますが、消化器内科と緊密な連携をとり、然るべき手術を行います。
 潰瘍性大腸炎、家族性大腸ポリポーシスに対する手術は、ハンドアシストによる腹腔鏡補助による大腸全摘術を行い、回腸肛門吻合は自動吻合器による回腸嚢肛門管吻合術よりも根治性の高い、直腸粘膜切除・経肛門的J型回腸嚢肛門手縫い吻合を行います。またクローン病に対しては原則として腹腔鏡下にて腸管切除または狭窄形成術を行います。

3.小腸疾患
 小腸腫瘍も時にありますが、多くは術後の癒着による腸閉塞(イレウス)です。小腸腫瘍は原則として腹腔鏡下手術で摘出を行います。腸閉塞は多くの場合消化器内科で保存的治療を行いますが、保存的治療で改善しない場合や、腸管が締め付けられて腸が壊死する危険性のある絞扼性イレウスは手術の適応となります。

4.肛門疾患
 長らく当院では肛門疾患の診療を行っていませんでしたが、平成27年4月より、痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱などの肛門疾患に対する治療を再開しています。
 痔核に対しては根治を望まれる方には手術がお勧めです。約1週間の入院が必要になります。血栓性外痔核の場合は外来で切除可能です。また内痔核に対する四段階注射療法(ALTA療法)も適応のある方には行っています。この治療も外来で行っています。
 直腸脱は全身麻酔で行う腹腔鏡下直腸固定術も可能ですが、ご高齢の方に多い疾患なので、より体に負担の少ない、腰椎麻酔で行う経肛門的手術(Delorme変法)を第1選択としています。

このページの先頭へ